交流する

西福寺おかげさま食堂

旗 「子ども食堂」をご存知でしょうか。両親が仕事などの事情で家に居らず、子どもが一人で夕食をとらざるを得ない、そんな「孤食」が蔓延する中で、「みんなでいっしょに食事する」ことの楽しさと大切さを共有しようと、2010年代から始まった社会活動です。安価で栄養バランスを考慮しつつ、各地で広まっています。(詳しくはwikipedia の記事などを参考にしてください)

案内 名古屋市内でも約30箇所で「子ども食堂」が運営されていて、その一つが「西福寺おかげさま食堂」です。

西福寺おかげさま食堂は、子どもだけに限らず、あらゆる年代を対象としていて、様々な価値観を持っていても、すべての人間が共有できる「食事」を通して人と人とが安心して関係を持つことのできる場所であることを大切にしています。また、食事を提供するスタッフも様々な人との関係を築く中で自分自身の価値や強みを見出していくことができるともに学び合い、育ち合うことのできるような、現代社会の中で失われてしまった「お互いさま」「おかげさま」の関係が生み出されていくような場となることを目指しています。

遊び 毎月第2金曜日に開催されているとのことで、2019年3月8日に取材に伺いました。

お寺に着くと、境内では大勢の子どもが走り回っていました。本堂の入り口あたりでは、若いお母さんたちが談笑する姿が見受けられました。少し戸惑いながらも本堂に入ると、本堂の中では、風船で遊んでいる子どもや、ボランティアの学生さんと折り紙で遊んでいる子どもたちもいて、とても生き生きとした笑顔が印象的でした。にぎやかではあるけど、少し懐かしいような、穏やかな時間の流れを感じました。きっと、お寺の境内や本堂という空間がそんな雰囲気を作り出しているのでしょう。

遊び2 受付でお聞きしたところ、「参加費は子ども100円、大人300円。今日の参加者は、120人以上になります」と。食事メニューなどによっても、参加人数もばらつきがあるものの、それでも最近では、常時100人を超える参加者があるとのことです。

住職 今回は、食事の場所の都合もあり、3クール制で、2か所で食べることができるようになっていて、その待ち時間があるので、本堂や境内で遊んでいる子どもたちがいるようです。子どもたちが次々にやってくるので、受付の人も大変そうですが、やさしく明るく声をかけていました。

食事 その後、他の部屋や厨房などの様子を見学していると、洗い場で、食器洗い中の住職を見つけました。お忙しいようすでしたので、手を動かしたままで、しばらくインタビューをさせていただきました。住職としては、以前から、お寺の場を有効活用するためにも、また、地域に開かれたお寺を目指す意味からも、何か取り組みができないか思いを馳せていたそうです。その思いの中で、子ども食堂をやりたいと思っている方々と知り合い、場所を提供したい側と場所を求めている側が、ちょうど良いタイミングでの出遇いがあり、具体的な取り組みへと展開したとのことでした。

最初は、手探りの部分もあったようですが、ボランティアの学生さんも複数の大学から来てくれるようになり、食材もいろいろなお店からの寄付でまかなえるようになり、今月の豆腐も寄付していただいたそうです。また複数の子ども食堂のネットワークでの情報交換もあり、毎月の企画として取り組む中で、ずいぶん軌道に乗ってきたとのこと。住職は、『お寺として、子ども食堂の取り組みはとても意義深く感じる。これからも積極的に取り組んでいきたいし、他のお寺でも取り組まれていくことをお勧めしたい」と語ってくださいました。

本堂 本堂2