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法話:家庭

家庭
西福寺 釋 暢麿(愛知暢麿)

新聞紙上では、食品の偽装があちらこちらで行なわれて、食に対する信頼が崩れてきています。自分の会社の利益追求と合理化の結果によって出てきています。生活が物質的に豊かになり、何の不自由もなく暮らせているのに親殺し、子殺しが絶えません。自己愛の肥大化により、人間関係に大きな問題が有るのではないでしょうか?

現代は人間生活の規律が乱れています。子供達は落ち着きが無く、挨拶もできません。大人は忙しく生活に追われて、子供を育てるのに必要なしつけが出来ないでいます。核家族化が進んで、わがままな生き方をしている人が増えてきています。幼い時からテレビを見せられて育てられ、希薄な親子関係の中で、時間に余裕のない不安定な生活によって家族の間に会話が減ってきて、家庭が崩壊しています。だから、世間では、社会に出てから仕事に没頭しすぎて、自分を見失って鬱病になる人が増えています。鬱病や生活苦などの悩みによって、ここ数年の間に年間3万人余りの自殺者が生み出されています。

そんな心に安らぎを与えるのが宗教です。特に真宗のお念仏は、自分中心の考えを自覚させて、人間として歩むべき道を照らし出しています。すべての事象や人を認めて受け入れていけば、何でもないことにこだわらないで生きることが出来ます。ただ、自己を深く省察し阿弥陀仏を信じることだけを教えているのが真宗の教義です。家族の信頼関係の根底には念仏の信仰が有れば、あたたかい家庭の中で、子供も豊かな気持ちで生活を過ごし、健やかに成長することが出来ます。


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