学ぶ・考える

法話:「お勤め」

「お勤め」
聖徳寺 釋 暁顕(小笠原暁)

私の僧侶としての得意分野は、「お勤め」です。単に「声を出す」だけと思われがちですが、その日の諸事情(お参りの方々の気持ち・天候・体調等)を考えながら、その場にあったお勤めを心がけなければなりません、そこが本当に難しいのです。檀家さんと「正信偈 草四句目下」(しょうしんげ そうしくめさげ)を一緒にご唱和する時も、場所の広さ・お参りの人数等によっても、声の大きさ・速さに微妙な違いがあります。音程も高からず・低からず等の約束事があり、それを決めるのは導師の役目です、そしてその全てを把握して声を出します。導師の役を家族で交代することによって難しさを体験できると思います。

また、「お勤め」には、その他に大事な、聞くという動作(聞法)が含まれています。でも皆さん、導師の声を聞き流して自分勝手にお勤めをしていませんか。

最後に私が今、心がけている事は「お勤め」をとおして安らかな気持ちになって頂くことです。クラシック音楽を聴くと心が穏やかになりませんか。お勤めが終わる頃には、穏やかな気持ちになって頂く事を願って、毎日お勤めしています。


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